終活という言葉を耳にするようになったのは2010年頃からで、2012年には流行語大賞のトップ10入りし、いまでは誰もが知る言葉となりました。でも、いざ始めようと思っても何をしたらよいかよくわらかないという人もいるのではないでしょうか。
 
 
終活は大前提として、その人の生活環境・生活状況によって大きく2つに分けられます。
 
 
1.身近に親族や支援者の方がいらっしゃって、いろいろなことを頼むことが可能な場合
@ エンディングノート(終活ノート)の作成
A 遺言書の作成
B 成年後見制度の利用
 
※ご本人の判断能力が衰えてきた場合に、必要であるならば身近なご親族が成年後見制度利用の申立を家庭裁判所に行うことで、身上監護および財産管理が適切になされます。
2.1人暮らしで、親族や支援者の方がいらっしゃらないか、ほとんど交流がない場合
@ エンディングノート(終活ノート)の作成
A 遺言書の作成
B 任意後見契約や死後事務契約の締結を考える
 
※ご本人の判断能力が衰えてきた場合に、身近にご本人の生活状況を把握している人がいらっしゃらないことで、身上監護および財産管理が適切になされず、病気になった時に適切な対応がなされなかったり、他人にお金を使われたりして財産を失ってしまう恐れがあります。
 
 
終活はその人の置かれた状況によって準備する事柄が変わってきますので、上記を踏まえながら、知っておきたい終活の基本をお伝えしたいと思います。
 
 


 

終活カウンセラー協会によれば、終活とは「人生の終焉を考えることを通じて自分をみつめ、今をよりよく自分らしく生きる活動」のことで、これまでの人生を振り返り、さらにこれから先をどう生きていくかを考えることです。

昔は元気なうちから死について思いを巡らすことは忌避される傾向にありましたが、最近は終活に前向きな人が増えています。時代も変わり、家族のカタチも変わり、「子供に面倒をみてもらう」のではなく、団塊の世代以降の多くの方々は、社会で活躍し、経済力もあるため「自分のことは自分でキチンと決めておく」「子供には子供の生活があり、面倒を掛けたくない」という気持ちを持つ方が大半になっているのだと思います。
 
実際に身心の具合が悪くなってからでは、いろいろなことを冷静に考えることが難しくなってしまいますが、心身が元気なうちならば、終活に前向きに楽しく取り組めることは確かだと思いますので、是非、元気なうちに終活に取り組むことをお勧めします。

終活は残された家族にとっても大切なことであり、実際には次のようなことを考えることから始めます。
 
「病気になったとき、治療はこうしてほしい」
「介護が必要となったとき、〇〇に介護してほしい」
「こんなお葬式にしたい、こんな供養をしてほしい」
「財産については、こんな風に考えている」
 

これらの情報は、残された家族にとっていざというときの対応の指針になります。こうしたことをまとめておくノートは「エンディングノート」または「終活ノート」と呼ばれています。実際に文字に書き起こすことで、家族に正しく情報が伝えられるというメリットもありますが、それに加えて自分の考えも整理しやすくなります。形式はとくに決まっていませんが、エンディング・ノートはあくまでご自分の希望を書くだけで法的効力を持つものではありません。財産については相続人の間で揉めないようにとお考えでしたら、「遺言書」の作成が必要になります。
 
上記は「ご家族がいらっしゃる」ケースです。1人暮らしで、ご家族の方が身近にいらっしゃらないような方々の場合はどうでしょうか?
 
「葬儀/埋葬を誰がしてくれるのか?」
「財産の処分はどうなるのか? 誰が処分をしてくれるのか?」
「認知症を発症した場合、自分はどうやって生活するのか?」
 

終活として考える内容は同じですが、それを 「誰に実行してもらうのか?」が重要になります。
 
 
   



 

 
終活は、自分が身の回りのことが思うように出来なくなったり、病気になって自分の意思をうまく伝えられなくなったりした時に備えて、ご自分の希望を判りやすく伝えるために、一般的にはエンディングノート(終活ノート)と呼ばれるものを作成します。具体的にどのようなことを書いておけば良いのか誰でも判るように、いろいろな会社から販売されています。たとえばコクヨから出ているものは、終活に限らず若い人でも役立つように「もしもの時に役立つノート」というネーミングで、その構成は次のようになっています。
 
 
1.エンディングノート(終活ノート)の作成

項目 書いておく事柄 項目 買いておく事柄
1.自分のこと ・生年月日
・本籍地
・家系図
・マイナンバー
・ライフイベント(結婚など)
・人生のターニングポイント
・思い出話
・人生観 ・趣味
・特技
・コレクションなど
3.気になること ・携帯/パソコンについて
・WebサイトのIDについて
・宝物・コレクションについて
・ペットについて
・生活のことについて
4.家族/親族 ・家族一覧
・親族一覧
・親族表
・命日/親族メモ
・冠婚葬祭メモ
2.資産 ・預貯金について
・口座自動引落しについて
・有価証券
・その他の金融資産について
・不動産について
・その他の資産について
・借入金・ローンについて
・クレジットカード・電子マネーについて
・保険について
・年金について
5.友人/知人 ・友人・知人一覧
・その他の連絡先一覧
6.医療/介護 ・健康管理について
・告知・延命処置について
・介護について
7.葬儀/お墓 ・葬儀について
・お墓について
・葬儀・お墓メモ
8.その他 ・写真と各種データについて
・大切な人へのメッセージ
・メモ

上記は項目をあげただけですが、具体的に記載することを考えると、ずいぶんいろいろなことを書き記しておく必要があることが判ります。特に判断能力が衰えた場合の成年後見制度の利用は大変重要なことですので、エンディングノートを書く際には成年後見制度のことも十分に理解しておくことが必要になります。
 
 
 
2.遺言書の作成
人が亡くなって相続が開始すると、遺言がなければ、民法の規定にしたがって手続が進められていきます。これを法定相続といい、相続する人や相続する分がきめられています。それに対して、遺言は「人は自分の財産を自由に処分できる」という考え方に基づいていて、法定相続より優先されます。
「妻には自宅の土地と建物をあげたい」「自分が死んだら、世話になった人に財産を譲りたい」「自分の財産を社会のために役立ててほしい」等の願いを、遺言を書いておけば、かなえることができます。ただし、遺言に書いておけば何でもできるわけではありません。財産に関する法律行為が主な事項です。また、自筆証書遺言は効力を争われるケースもあり、自分の意思を確実に実現させるには、遺言に対する理解を深め、周到に準備することが必要になります。

遺言の効力が発生する時には、遺言者はこの世にいませんので、遺言者の意思や真意に疑義が生じないように、遺言には厳格な方式が定められています。遺言は亡くなった人の意思として尊重されますが、遺言書を書いた後、気持ちが変わることもあります。遺言は何度でも書き直すことができるので、納得のいく遺言を残されてはいかがでしょう。
 
詳しくは「遺言の基礎知識」をご覧ください。
 
 
 
3.成年後見制度について(任意後見と死後事務契約)
 
加齢とともに判断能力が衰えてくるのは自然なことですが、「自分の判断能力が衰えてきた時にどうしてほしいか?」についても事前に考えることが必要な時代になりました。家で暮らしたいのか、老人ホーム等に入所したいのか、希望する入所施設があるのか、病気なった時にはどうして欲しいのか、葬儀はどうしたいのか・・・などです。

特に、独居の方は判断能力が衰えていくことに周りが気が付かない場合もあります。希望がある場合には早めにそれらを纏めて親族に伝えておくか、親族がいない場合は任意後見契約等を結ぶことが望まれます。
 
エンディングノートに書き記しておく事柄と重なることがたくさんありますので、是非「成年後見」についてお読み下さい。任意後見制度の利用や死後事務契約についても、記載されています。
 
 
 




当事務所における終活のサポート業務は次のとおりです。ご相談等がありましたら、お問い合せください。ご依頼にそった方向でアドバイスさせていただきます。

  • 遺言書の作成
  • 任意後見契約を締結して、任意後見人になること
  • 任意後見契約発効前のサポート:見守り契約や任意代理契約を締結して、ご本人を支援すること
  • 任意後見契約終了後のサポート:死後の事務契約を締結して、葬儀、埋葬等を行い、債務弁済、家財の処分等を行うなど
 
 
 
 
 
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